Forest Chimney~麦わら作家の家~

ストロースター、ヒンメリ、麦編みを製作、販売。オンライン教室では、作り方もお伝えしています。

ストロースターって何?ストロースターの起源と物語

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製作したストロースターたち


こんにちは!

「ストロースター」をご存じの方はまだまだ少ないと思います。

それに、「ストロースター」を検索すると、プラスチックストローで作る星も出てきます。

この記事では、麦藁のストロースターについて、起源と素敵な物語を含めて解説したいと思います。

 

目次

 

1、ストロースターの起源はドイツ

 

ストロースターは、ドイツと北欧諸国で愛されてきた麦藁のクリスマスオーナメントです。

 

日本での稲わら細工と同じように、

ヨーロッパでも主食である小麦・ライ麦のわらは身近な素材であり、

なおかつ収穫への感謝を表す象徴でもありました。

 

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後で紹介する物語のように、始まりは素朴な手仕事です。

ヨーロッパ各地に麦藁細工の伝統があり、様々な美しい手仕事が生み出されています。

 

麦藁細工は、主に冬の娯楽としての手仕事でした。

家族皆で製作に当たり、帽子や靴、

あらゆる種類のアクセサリーを製作していました。

 

ストロースターはドイツ南部で伝統的に作られていたと言われています。

スカンジナビア諸国でも同様のストロースターが作られており、ヨーロッパ北部で広まったようです。

 

2、19世紀にクリスマスグッズとして定番化し、今では中国で生産

ストロースターが商業的ムーブメントとしての広がりを見せたのは、19世紀。

 

ドイツで麦藁帽子を夏の仕事として製作していた人々が、

冬の麦藁細工としてオーナメントを販売し始めました。

これが広がり、ドイツのクリスマスの定番となっていきました。

 

しかし近年では、中国で工業的に大量生産された麦藁オーナメントが世界中に出回るようになりました。

ドイツのお母さんたちが製作していた仕事が激減したとのことです😢

 

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3、細かく繊細に進化したストロースター

私が製作しているストロースターは

伝統的なストロースターから少し進化したもので、麦藁を縦に割いて作っています。

 

麦藁を組むための道具がドイツ製で、

1990年代にヨーロッパでメジャーになりました。

伝統的なものに比べてとても細かい幾何学的が楽しめます。

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ツリーに飾るとナチュラルだけど華やかに

 

 

 

慣れるのに多少の忍耐を必要とするかもしれませんが、

手仕事がお好きな方は下のキットをおすすめします。

私も主にこの枠を使って作品を作っています。

これさえ持っていれば、様々な形のストロースターを製作することができますよ♪

※ただ、何でもそうですが、簡単なものはすぐに作れるようになりますが、

複雑で美しいものは、たくさん作ってコツを掴まないとなりません。

自力では難しそうという方は、ワークショップなどでコツを掴んだり、

プロに任せて購入という手もありますよ。

 

↓私が最初にストロースターと出会ったメルヒェンさん。

他にも、ドイツのおもちゃを扱っているお店ではキットを置いているところがあります。

www.marchen-net.com

 

4、麦わらの星とクリスマスの関係

そしてこれは日本人があまり知らない感覚ですが、

麦わらとイエス・キリストには深い関係があるのです。

 

エスが馬小屋で生まれ、飼い葉桶の中で寝ていたという話は聞いたことがあるかと思います。

その飼い葉桶、つまりは餌を入れる箱ですが、

そこに敷かれていたのが麦藁でした。

 

考えてみれば、馬小屋ですので、わらが大量にあるわけです。

このわらの上ですやすやと寝ていた赤ちゃんのイエスに、たくさんの祝福と贈り物がされました。

有名な東方の三賢人の黄金、乳香、没薬もそうです。

 

 

さてそこに天使からイエスの誕生を知らされて駆けつけたのが羊飼いたちです。

そのなかに一人の少年がいました。

彼にまつわるストロースターのお話があり、素敵なのでドイツの伝承を翻訳してご紹介させていただきます。

 

 

 5、ストロースターの物語 (ドイツ伝承)

 

ーーーーーーーーー

小さな羊飼いの少年ナタナエルは、飼い葉桶の中で眠っている赤ちゃんのイエスへ贈り物をしたいと思いました。

 

しかし彼は幼い雇われ羊飼いで何かを買うお金も、プレゼントできるようなものも持っていませんでした。

 

 悲しくなったナタナエルは自分の小屋に帰り、いつものように藁の山にごろんと横になりました。

 

見上げると、夜空には神の御子の誕生を示す特別な星(ベツレヘムの星)が輝いています。

その時、彼は彼の手に藁が差し込まれていることに気づきました。

 

彼は愛と創作の力で、麦わらから星を生み出します。

 

こうして、天からもたらされたアイディアで、地上で創造された星が完成しました。

 

ナタナエルは、再び幼子の飼い葉桶のところへ行き、麦わらの星を贈りました。

 

麦わらの星は幼子を喜ばせ、静かに輝きました。

 

ーーーーーーー

 

 

ナタナエルという名前は、ヘブライ語で神の贈り物という意味だそうです。

 

この物語を知ると、ますますストロースターがいとおしく感じます。

 

何の変哲もない麦藁が、愛と創造の力で素敵な贈り物になること。

まさにストロースターの物語ですね☺

 

 

6、クリスマスツリーもドイツ発祥

 

ちなみにクリスマスツリーの起源もドイツと言われています。

 

16世紀にその始まりがあり、後に上流階級のプロテスタントで習慣となりました。

 

その後も19世紀まではドイツの文化と見なされていたクリスマスツリーですが、

貴族の間で人気を獲得し、各国の王室や伯爵によってツリーが作られるようになりました。

 

20世紀初頭には教会にも採用されるようになり、一般の人々に広まるようになっていきました。

 

クリスマスマーケットといい、ツリーやストロースターといい、

私達もワクワクするクリスマスの仕掛けは、ドイツで生まれていたのですね☺

 

ストロースターの物語、素敵ですよね☺

私のお客様にも知っていただけるよう、

何かリーフレットのようなものを作りたいなと思います。

 

 ***追記*** 2020.12.7

麦わら手しごと教室をオンラインで開講予定です。

noteというサービスを使って、ヒンメリやストロースターなどの作り方を動画でお伝えします。

全国どこにいても麦わらの手しごとが学べますし、動画を見て作っていただく形式なので、時間を気にすることなく気軽に始められます。

教室のサークルもnote上で設置予定です。生徒さん同士での交流や、作り方の質問なども受けつける予定です。


ご興味のある方は、私のnoteをフォローしてください(^^)

https://note.com/eri_nakajima






 

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